さがしもの
いつもさがしものばかりしている。
新しい人、もの、出来事。
なにかいいことはないだろうか?と。
そしてもうすでに手の中にある、「原石」から目をそらしてしまう。
これはもしかしたらもっと価値がでるかもしれない、と密かに思っているのに、
外に目をむけ「もっと限りなく宝石に近い原石」を探すことで、磨くのをやめてしまう。
やがて時は流れ、「原石」は原石のまま、
いくつか数を増やすことはできたが、
あいかわらずただ原石のまま、そこに置かれている。
探したいと思うときは、
好きなだけ探せばいい。
飽きるまで探せばいい。
だけど、もし探すのに疲れたら
そのときこそ、チャンス。
そのときがきっと、原石を磨くとき。
「原石」は消えない。
なくなった!と一瞬焦っても、落ち着いて探せばそこにある。
ただ、磨く時間はどうやったって省けない。
見つけた本人によって時間をかけて磨かれなければ、輝けないのだ。
そして「宝石」を探しつづけていても、
「原石」を磨きつづけていても、
時間は同じように過ぎ去っていく。
探すのに疲れたら、
いったん立ち止まって、いま手の中にある原石をじっくり観察してみるのも悪くはない。